偶然ですか?必然ですか?

それは突然の事だった。

 

お風呂上がりに顔にベタベタとクリームを塗っていた時。

 

見慣れない電話番号。通信先には海外の表示。

不安になりながら出てみると、「Allo? Allo?」。

 

 

聞き覚えのある声に「もしもし?」と日本語で返す。もう一度「Allo?」ん?あ、わかった。

それは、20代の時に留学先でできた友人からの電話だった。

 

頭の言語スイッチの切り替えがうまく出来ずひたすら「Oui.oui」しか出ない。

辞書は棚の奥にしかない。軽くパニック。

 

彼女はフランス在住。しかも医療従事者である。

彼女が話してくれるゆっくりな言葉に優しさを感じながら、言葉を理解出来ても語彙力の無さで、返せないもどかしさ。

 

とりあえずお互い元気にしている事はわかって安心した。そして、彼女が住む地域はそれほどコロナの影響は出ていないそうだ。

少し安心した。

 

3月、毎日報道されるヨーロッパの状況があまりにひどく、フランスに住む友人達がとても心配になり片っ端から残しているメールアドレスに送信した。

 

しかし、エラーで戻ったり未だに返信がなかったりで寂しいような、ちょっと残念な気持ちでいた。(そりゃ十数年前のアドレスは古い)

そのうち日本も緊急事態宣言が発令されて、国は違えど全世界が混乱。

仕事や学校、全ての環境ががらりと変わってしまい、フランスの友人たちの心配もどこか頭の奥にしまいこんでいた。

 

そんな状況からの連絡だから、本当にうれしかった。まだまだヨーロッパ、日本、全世界が気は緩められないが、こうしてお互いに元気に生きている確認ができ、幸せだと感じた。

 

コロナの影響で、家にいる時間が増えた。

きっかけは何であれ、なにかしら時間が出来たのだから、これを有効活用しないともったいない。そう思って、彼女からの電話をきっかけにらとおざかっていたフランス語の勉強を再開する事にした。

 

日本でいうLINEと同じようなアプリを使い、チャットをしたり、音声メッセージを送ったり、ワクワクする。

 

不謹慎かもしれないが、コロナをきっかけに忘れていたことを再確認できるようになり、感動。

 

きっかけは何であれ、なにかしらの力で背中を押してもらって再開する事で、新たな気持ちが生まれた。

 

もう一度やってみよう。

そして、今夜は蠍座満月。偶然にも、「勉強する事」が今後のキーポイントになるのだそうだ。

 

下手でも、間違っていてもいいから、とにかく始めてしまおう。

 

そして、そのきっかけをくれた友人Mへメール返信をしようと思う。

ありがとう。